


生成AIを使った保護者対応研修の紹介です。
使用する生成AIは、ChatGPTでもGeminiでもCopilotでも何でもOK。
学校で使えるもので無料版でも十分に使えます。
生成AIに保護者役になってもらい電話応対のシミュレーションを行うことができます。
例えば、こんな感じでプロンプトを入力します。
小学生の保護者とその子の担任の電話応対のシミュレーションをします。あなたは小学生の保護者です。私は担任です。あなたが学校にクレームの電話を入れたところからスタート。私の回答に対して、返答を続けてください。
生成AIからの回答はこちら。
承知いたしました。私は小学生の保護者として、担任の先生にクレームの電話をかけます。
担任の先生へのクレーム(電話のコール音が鳴り、先生が出る)
もしもし、〇年〇組の〇〇(子どもの名前)の母ですが、〇〇先生でいらっしゃいますか?今、少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか。実は、先日の個人面談の際に先生がおっしゃったことについて、どうしても納得がいかず、お電話させていただきました。面談で先生は、うちの子が授業中に落ち着きがなく、集中力に欠けるとおっしゃいましたが、それは一体どういうことでしょうか。家では集中して宿題もしていますし、私が教えている限りでは、そのようなことは全くありません。先生の言い方では、まるでうちの子に問題があると言われているように聞こえました。詳しくお聞かせいただけますでしょうか。
これに対して担任役として返事を入力します。
すると、それに対してまた生成AIが返事を返してきます。
真面目に回答するなら、こんな感じ。
(先生役としての入力)
お電話ありがとうございます。担任の山田です。さくらさんの授業中の態度についてですが、好きな科目についてはおっしゃる通り集中して取り組んでいるのですが、理科など苦手な科目になると集中力を欠いてしまうことがあるようです。
担任名、児童名は仮名で入力(なんでもOK)します。
それに対する生成AIの返答。
なるほど、苦手な科目だと集中力が続かないことがあるということですね。家では好きなことには熱中するタイプなので、そういった面が学校でも出ているのかもしれません。ただ、先生がおっしゃった…(以下省略)
このように電話応対をシミュレーションすることができます。実際の電話応対とちがって、スグに返答する必要がないので、どのように返答すべきかをグループで話し合って入力することもできます。
先生同士で片方が保護者役になってシミュレーションをすると、どうしてもやさしくなってしまったり、やりにくさがあったりすると思いますが、生成AIはそんな気遣いはしません。
生成AIなら保護者役に徹してくれますし、「理不尽な要求をする保護者になって」と指示すれば、そのような保護者になってくれます。
相手は生成AIです。
真面目に答える必要はありません。言いたいことをズバッと言ってもいいのです。
普段、言いたくても言えないことを生成AI相手に言ってスカッとしましょう。
リアクションがあるので、AI相手でも言いたいことをいうとスカッとしますよ。
保護者対応でシンドイ思いをしている方は、ぜひ試してみてください。
ストレス解消になりますし、保護者対応のヒントを得られるかもしれません。
真面目な使い方としては下記のように保護者対応研修の事例を生成AIでつくることもできます。
生成AIの役割はあくまでも事例を作成すること。これを「正解」とするのではなく、これをもとにグループで討議することが目的です。
例えば、こんな感じでプロンプトを入力します。
保護者が小学校に「うちの子の髪型が校則違反だと言われた。個性を尊重しないのか」と電話してきたときのシミュレーションをしてください。
生成AI(Geminiの場合)の回答がこちら。
先生: 「はい、〇〇小学校です。」
保護者: 「もしもし、1年2組の〇〇の母ですが!」
先生: 「〇〇さんのお母様ですね。いつもお世話になっております。本日はどのようなご用件でしょうか?」
保護者: 「先生ね、うちの子が今日、髪型が校則違反だって言われたらしいじゃないですか!」
先生: 「はい、本日、〇〇さんの髪型について、担任から少しお話をさせていただいたと聞いております。」
保護者: 「うちの子、別に変な髪型してるわけじゃないんですよ!ちょっと長めにしてるだけなのに、なんで校則違反なんですか?個性を尊重しないんですか、この学校は!」
先生: 「お気持ち、お察しいたします。お子様の個性を大切にしたいというお母様のお気持ちは大変よく理解できます。学校としましても、お子様一人ひとりの成長を願う気持ちは同じです。」
保護者: 「じゃあ、なんでいちいち髪型に口を出すんですか?子どもがかわいそうじゃないですか!」
先生: 「ご心配をおかけして申し訳ございません。学校の校則は、決して個性を頭ごなしに否定するものではございません。子どもたちが安全に、そして安心して学校生活を送るための約束事として設けさせていただいております。」
保護者: 「安全って、髪型と何の関係があるんですか?」
先生: 「例えば、運動場で遊ぶ際や、理科の実験を行う際など、髪が長すぎると視界を遮ったり、思わぬ事故につながる可能性もございます。また、衛生的観点からも、一定の基準を設けさせていただいております。」
保護者: 「でも、うちの子は結んでいけばいいって言ったのに、それもダメだって言われたって聞きましたけど?」
先生: 「はい、その点につきましても、担任から改めて詳しくお話しさせていただきます。一般的には、活動の妨げにならないよう、結ぶなどの対応をお願いしておりますが、〇〇さんの場合は、結んだ状態でも少し長さがあるため、安全面を考慮して担任が声かけをさせていただいたのかもしれません。」
保護者: 「納得いきません!そんな細かいことまで言う必要ありますか?他の学校はもっと自由ですよ!」
先生: 「ご不満に思われるのも無理はありません。学校ごとに校則の内容や解釈は異なるところもございます。しかし、本校では、子どもたち全員が快適に学校生活を送るために、現在の校則を設けております。ただ、今回お母様からお話しいただいた件は、今後の指導の参考にさせていただきます。もしよろしければ、一度学校にお越しいただき、担任を交えて詳しくお話しさせていただくことは可能でしょうか?実際に髪型を見せていただきながら、安全面や衛生面について具体的にご説明させていただければ、よりご理解いただけると存じます。」
保護者: 「…今日すぐには行けませんけど、また連絡します。」
先生: 「かしこまりました。お忙しいところ恐縮ですが、ご都合のよろしい日時がございましたら、改めてご連絡いただければ幸いです。本日はお電話いただきありがとうございました。」
保護者: 「…はい。」(電話が切れる)
【シミュレーションのポイント】
生成AIはこうしたそれっぽい話を大量に作ることが得意です。こんな感じのシミュレーションをスグに作ってくれます。これを人力だけで、揃えようとすると大変ですよね。
研修の資料となるたたき台を作成するという部分を生成AIにやってもらうのです。研修では、これを印刷してグループごとにどこが良かったのか(悪かったのか)を討議することができます。
上の事例では校則違反についてのシミュレーションでしたが、成績についてや学校行事についてなど別のパターンでもつくれます。これが生成AIを活用するメリットです。