エクセル計算式をコピー操作で一括設定する方法

同じような計算式は入力せずにコピー操作で一括設定

エクセル計算式をコピー操作で一括設定する方法

エクセルの計算式は、ひとつひとつキーボードから入力する必要はありません。
同じような計算であれば、コピー操作で一気に設定することができます。

 

その方法について説明します。

 

エクセル計算式をコピーする方法

下記のような複数回のテストの平均点を計算する表を作るケースを考えてみます。

 

名前「あああ」さんの平均点のセルに計算式を設定しました(ここはキーボードから入力)。
赤枠内に表示されている「=(B2+C2+D2)/3」が入力した計算式です。

 

計算式の意味は、B2セル、C2セル、D2セルを足して3で割ることを意味しています。
(各テストの点数を合計して、テスト回数の3で割って平均点を求めています)

 

名前「いいい」「ううう」さん以降にも同じように設定することで平均点が表示されるようになりますが、ひとつずつキーボードから「=(B3+C3…」と入力する必要はありません。

 

計算式をコピーすると、計算式の中のセルの位置も変わってくれる

E2セル(名前あああの平均点が表示されるセル)をコピーして、E3セル(名前いいいの平均点)に貼り付けると下記のようになります。

 

 

上と計算式を比べてみてください。

E2セル(あああ平均点) =(B2+C2+D2)/3
E3セル(いいい平均点) =(B3+C3+D3)/3

E2セルではB2,C2,D2となっていたところが、E3セルではB3,C3,D3となっています。

 

もし、B2,C2,D2のままであれば、E3セル(「いいい」さんの平均点)に、「あああ」さんの平均点が表示されてしまうことになります。それでは困りますよね。

 

エクセル計算式のコピー、貼り付けは同じような意味になるように自動的に変更されるのです。
便利ですが、仕組みを理解しておかないと上手くいかないこともあります。

 

ポイントは「同じような意味になるように」です。
E2セルをコピーして、H2セルに貼り付けたケースを見てみます。

 

 

E2セルをコピーしてH2セルに貼り付けると上図のようになります。
計算式を比べてみます。

E2セル =(B2+C2+D2)/3
H3セル =(E2+F2+G2)/3

B2→E2、C2→F2、D2→G2に変わっています。

 

いずれもセルの位置が「右に3つ」ずれているのがポイント。なぜ、右に3つずれたかというと、貼り付けた場所(H2)が元の場所(E2)から右に3つずれた場所だからです。

 

計算式を貼り付けた場所によって、計算式の中のセルの位置が変わるのです。
これは左右だけでなく上下でも同じ。

 

このためE2セル(あああ平均点)をコピーして、ひとつ下のE3セル(いいい平均点)に貼り付ければ、計算式の中で参照しているセルの位置もひとつ下になるというわけです。

 

計算式の中のセルの位置を変えたくないときは絶対参照を使う

計算式の中のセルの位置がコピーで変わってしまうと困るケースもあります。

 

 

上の表ではクラス全体の平均点を計算して、その点数と各自の平均点の差を表示しています。いま、F2セル(あああの差)に「=E2-E14」という計算式が設定されています。

 

これをコピーするとどうなるでしょうか?
F2セルをコピーして、ひとつ下のF3セルに貼り付けてみます。

 

ひとつ下のセルに貼り付けたので、E2はE3に、E14はE15に変わりました。
クラスの平均点が表示されているのはE14セルです。

 

この「E14」は計算式のコピー先でも「E14」のままでないと意味がありません。
こうした場合は、セルの位置を「絶対参照」という形式で指定します。

 

$をつけて絶対参照にする

計算式をコピーしてもセルの位置を変えないのが絶対参照です。
絶対参照にするには「$」マークをつけます。

 

「E$14」としたので、コピーしても「$」の後ろの「14」は変わりません。

 

絶対参照のマーク「$」は上下左右それぞれに対して必要です。
上の例で左右も変更したくないのであれば「$E$14」と設定します。

 

「$」の後ろの部分だけが絶対参照となり、コピーしても変わらないというわけです。
ちなみに絶対参照でないほうは相対参照といいます(ご参考まで)。