


「毎日の授業準備に追われて、新しい教材や工夫を凝らしたプリントを作る時間がない……」
「生徒のレベルや関心に合わせた個別最適化教材を、もっと手軽に作れないだろうか?」
そんな多忙な先生方にとって最強の相棒となるのが、Googleが提供する生成AIツール「Gemini Notebook(旧NotebookLM)」です。
一般的な生成AIとは異なり、先生がアップロードした指導書やプリント、参考資料だけを情報源として文章を自動生成するため、教育現場での教材作成や授業準備を劇的に効率化してくれます。
本記事では、学校現場での活用に特化して「Gemini Notebookを使った教材作成の具体的手順」や「明日から使える教科別実践事例」を徹底解説!さらに、忙しい先生方がコピペしてすぐ使えるプロンプト(指示文)6選もご紹介します。
NotebookLMは、Gemini Notebookに名称が変更になりました。
なぜ、多くの先生方がGemini Notebookを授業準備に取り入れ始めているのでしょうか?
学校現場ならではの5つのメリットをご紹介します。
新しい単元に入るときや少し難解な専門資料を取り扱う際、何ページにも及ぶ指導書や文献を読み込むのは一苦労です。Gemini Notebookに資料を読み込ませておけば、「この単元の学習指導要領上の重要ポイントを箇条書きで3つにまとめて」と指示するだけで、即座に要約を提示してくれます。
教材研究のゼロベース作業を大幅に短縮できます。
「昨年の授業プリント(Word)」「Web上で見つけた参考記事(URL)」「自治体から配布されたガイドライン(PDF)」など、形式の異なる複数の資料を1つのノートブック(無料版で最大50個、Pro版で最大300個まで)に一元的に統合できます。
「資料がパソコンのあちこちに散らばって探せない」という校務あるあるから解放されます。
同じ単元の内容でも、「勉強が苦手な生徒向けに語彙を簡単に」「発展的な内容を学びたい生徒向けに少しレベルの高い問いを」といった難易度の調整が瞬時に行えます。ユニバーサルデザイン(UD)に配慮したプリントや個別最適な学びを支援する教材が簡単に作成可能です。
テキストによるプリント解説文だけでなく、単元の重要語句を問う「4択の小テスト」、グループワーク用の「ワークシートの問い」、さらには2人のAIホストが対話形式で内容を解説するラジオ風の「音声概要(オーディオ概要)」まで、多様なアウトプットを1つの資料から同時に生成できます。
教材作成だけでなく、先生ご自身のスキルアップにも大活躍します。分厚い「学習指導要領の解説」や話題の「教育論文」を読み込ませて要約を出力したり、音声概要として通勤中や家事の合間に「耳からインプット」したりと、多忙な先生のスキマ時間を有効活用できます。
それでは、実際に授業で使える教材をゼロから作る手順を解説します。操作は驚くほどシンプルで、パソコン操作が苦手な先生でも3つのステップですぐにマスターできます。

まずは Google アカウントでログインし、ホーム画面の「ノートブックを新規作成」をクリックします。単元や教科ごとにノートブックを分けて作成しておくと、後から見返しやすくなります(例:「中2理科_天気の世界」「高1日本史_明治維新」など)。
ノートブックが開いたら、教材の根拠となる資料(ソース)を追加します。
以下の形式に幅広く対応しています。
| パソコン内のファイル | PDF、Word、PowerPoint、テキストファイル |
|---|---|
| Google ドライブ内のデータ | Google ドキュメント、Google スライド |
| Web上の情報 | 参考記事やニュースサイトの URL、YouTube動画の URL |
| テキストのコピー&ペースト | 指導書のテキストなどを直接貼り付け |

資料を読み込ませたら、画面下部のチャットボックス(入力枠)に「どのような教材を作りたいか」を指示(プロンプト)します。
ポイントは、「誰に向けて(学年・レベル)」「どんな形式で(クイズ・解説文・表など)」「何を目的に」を具体的に伝えること。数秒で、読み込ませた資料の内容に100%基づいたオリジナル教材が出力されます。
「実際に自分の教科でどう使えばいいの?」という先生方のために、明日からすぐ現場で使える教科別の教材作成アイデアをまとめました。
| 長文の要約・構造化 | 説明文や論説文を読み込ませ、「序論・本論・結論の要点をそれぞれ200字以内でまとめて」と指示し、読解の補助プリントを作成。 |
|---|---|
| 心情の記述問題 | 小説のテキストを読み込ませ、「この場面での主人公の心情が変化したきっかけを問う記述問題と、その模範解答・採点基準を作成して」と指示。 |
| 古典の現代語訳&対比 | 古文・漢文の原文と解説を入れ、現代語訳との対比表や、文法事項の確認シートを作成。 |
| 歴史のラジオ風音声教材 | 歴史の事件や人物に関する資料を入れ、「音声概要」機能を活用して「なぜこの戦いが起きたのかを2人で面白く語るラジオ番組」を作成。歴史が苦手な生徒の興味を惹きつけます。 |
|---|---|
| 時事問題の視点整理 | 最新のニュース記事や社説のURLを複数読み込ませ、「この問題に関する賛成派の意見と反対派の意見を、中学生にも分かるように表形式で整理して」と指示し、主権者教育や討論の資料を作成。 |
| 身近な例え話の生成 | 「オームの法則」や「細胞の働き」などの解説プリントを入れ、「中学生がイメージしやすいように、日常生活の現象(水圧や学校の組織など)に例えて説明する文章を作って」と指示。 |
|---|---|
| 実験の安全マニュアル | 実験手順書を読み込ませ、「生徒が実験中に注意すべき危険なポイントと安全対策を、箇条書きのチェックリスト形式で書き出して」と指示。 |
| 英語長文の難易度調整 | 英語のニュース記事や長文を読み込ませ、「この英文の単語と文法を、中学2年生(CEFR A1?A2レベル)で学習する範囲に合わせてリライトして」と指示。 |
|---|---|
| 英会話スキット&リスニング | 文法事項の資料を入れ、「この文法を使った、放課後の生徒同士の楽しい会話スキット(英語と日本語訳)を作成して」と指示。さらに音声概要を英語で出力させれば、オリジナルのリスニング教材になります。 |
| 膨大な調査資料の整理 | 「地域防災」「環境問題」など、生徒がインターネットや図書館で集めてきた複数の資料(PDFやURL)を1つのノートにまとめさせ、現状の課題と解決策のヒントを整理させます。 |
|---|---|
| ディスカッションのたたき台 | 探究テーマに関する資料をもとに、「これからグループで議論を深めるための、面白くて答えのない『問い(問いの立て方)』を5つ提案して」と指示。 |
先生方がゼロから指示文を考える手間を省けるよう現場でよく使う状況に合わせて設計した「コピペ用プロンプト集」をご用意しました。
【】 の部分を教科や目の前の生徒の状況に合わせて書き換えてご活用ください!
むずかしい文章を苦手な生徒でもスラスラ読める解説プリントに変えるプロンプトです。
アップロードした資料を元に、【中学1年生】の生徒向けの授業プリントに載せる解説文を作成してください。
(条件)
・専門用語や難しい漢字には、分かりやすい簡単な言葉への言い換えや補足を加えてください。
・親しみやすく、生徒に語りかけるような優しいトーン(〜ですね、〜してみましょう)で書いてください。
・重要ポイントがひと目で分かるよう、箇条書きや見出しを効果的に使って整理してください。
単元のまとめや小テストにそのまま使える問題を模範解答&解説付きで作成します。
この資料の内容に基づき、授業の振り返りで実施する小テストの問題を作成してください。以下の構成で出力してください。
1. 重要語句の理解を問う「4択問題」を5問
2. 理由や背景を自分の言葉で書かせる「短文記述問題(50文字程度)」を2問
3. すべての問題の「模範解答」と生徒が納得できる「詳しい解説」
生徒同士の対話や探究的な学びを活性化させるためのワークシート構成案です。
この資料をテーマにして、1時間の授業で行う【グループディスカッション用のワークシート案】を作成してください。
(出力項目)
・生徒の議論を白熱させる魅力的な「メインテーマ(問い)」を3つ提案
・それぞれの問いに対して、グループで出そうな「賛成派の主な意見・根拠」と「反対派の主な意見・根拠」
・議論がストップしたときに、先生が投げかけると効果的な「ヒント質問(ファシリテーション用)」を3つ
授業で話を聴きながら生徒に記入させる「穴埋め形式」のプリントを簡単に作ります。
アップロードした資料の要点を、生徒が授業中に記入できる【穴埋め(キーワード抜き出し)形式のサマリーシート】として出力してください。
(条件)
・絶対に覚えてほしい重要語句を[ 1 ]のように空欄(ブラインド)にしてください。
・空欄の数は全体で10箇所程度にしてください。
・最後に、先生用の「空欄の解答リスト」をまとめて記載してください。
単元終了時に、生徒自身の振り返りや先生の評価(単元の目標到達度)をスムーズにするための基準表を作ります。
この単元の学習資料を元に、生徒に提示する「学習到達度の評価表(ルーブリック)」を作成してください。
「知識・理解」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点について、それぞれ「A(十分満足できる達成水準)」「B(おおむね満足できる達成水準)」「C(努力を要する水準)」の具体的な状態を言葉で定義してください。
音声概要を使ってリスニング教材やラジオ風教材を作る際、AIによる漢字や地名・学校名の誤読を確実に防ぐための追加コマンドです。
この資料の内容について、生徒が聴いて楽しいポッドキャスト風の音声概要を作成してください。
(※以下の指示に従って、漢字の読み方を正しく強制してください)
Pronounce 十三 as じゅうそう
Pronounce 一宮 as いちのみや
Pronounce [漢字・学校名] as [ひらがな・ローマ字]
非常に便利なGemini Notebookですが、学校教育というデリケートな現場で取り扱うからこそ、先生方が守るべきセキュリティと著作権のガイドラインがあります。
Gemini Notebookは、読み込ませた資料のみを参考にするため、他の生成AIと比べて「ハルシネーション(AIがもっともらしい嘘をつく現象)」が起きにくい構造になっています。
しかし、資料の文脈をAIが誤解して、ニュアンスの違う要約や問題を生成する可能性はゼロではありません。生徒に教材を配布する前には、必ず先生ご自身の目で「内容に間違いがないか」の最終チェック(ファクトチェック)を行うようにしましょう。
学校現場での教材作成においては、著作権法第35条により、授業の過程において必要と認められる限度において、市販の書籍や新聞、Web記事などを複製・加工して生徒に配布することが認められています。
ただし、これは「担当する授業の生徒に対して、クラスルームやプリントで共有する」ことが前提です。AIで作成した教材や、他人の著作物を読み込ませて作った音声ファイルをインターネット上の誰でも見られる一般公開サイトなどにアップロードすることは絶対に避けましょう。
自治体や学校で契約している「Google Workspace for Education」のアカウントから利用する場合、入力したデータがAIの学習に二次利用されることはなく、高いセキュリティが守られています。
しかし、基本的な情報モラルとして、生徒の氏名・住所・成績などの個人情報(プライバシー情報)や、これから実施する未公開の定期テスト・入試の過去問などをノートブックにアップロードすることはやめてください。あくまで「指導資料」や「一般的な教材ソース」の加工に特化して利用するのがルールです。
今回は、学校の先生方に向けて「Gemini Notebook(旧NotebookLM)」を活用した教材作成術と実践例をご紹介しました。記事のポイントを振り返りましょう。
AIツールを上手に活用することは、決して「先生の仕事を楽すること」だけが目的ではありません。教材研究やプリント作成などの事務的な作業時間を劇的に短縮することで、「生徒一人ひとりと向き合う時間」や「ワクワクするような対話的な授業デザインを考える時間」を新しく生み出すことに最大の価値があります。
まずは本記事のコピペ用プロンプトをそのまま使って、明日の授業の小テストや少し難解な単元の要約プリントを作ってみることから始めてみませんか?
進化し続けるGemini Notebook(旧NotebookLM)を心強い相棒にして、先生ご自身も楽しみながら、もっと創造的で効果的な授業づくりへ繋げてください!

教育現場のAI活用は、次のステージへ。
話題の「Gemini Notebook (NotebookLM)」を使いこなし、先生方の事務作業を安全かつ圧倒的に効率化するためのガイドブックを出版しました。
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