


「前年の行事計画書を読んだのに、当日の動線がわからない……」
「教育委員会の分厚いマニュアルから、必要な情報だけを探し出すのに時間がかかる……」
「学校評価アンケートの自由記述コメントを、放課後に何百件も読んで要約するのが苦痛……」
授業準備や生徒指導だけで日々全力疾走している先生方にとって、こうした「授業以外の雑務(校務)」が重なることは、本当に大きな負担ですよね。
そんな先生方の強力な味方となるのが、Googleが提供する生成AIツール「Gemini Notebook(旧NotebookLM)」です。
正式名称がGemini Notebookに変更になりましたが、記事内ではNotebookLMで記載します。
この記事では、学校の校務効率化に特化したNotebookLMの活用事例と、そのままコピー&ペーストして使える「指示文(プロンプト)」を大公開!セキュリティの注意点や初心者向けの始め方もわかりやすく解説します。今日からAIを「優秀な学年アシスタント」にして、劇的な時短・定時退勤を目指しましょう!
生成AIといえばChatGPTや通常のGeminiが有名ですが、なぜ学校現場の校務には「NotebookLM」が最強だと言われているのでしょうか。理由は3つあります。
通常の生成AIは「世の中のネット上の情報」を元に回答するため学校独自のルールや行事については答えてくれません。また、AIが事実とは異なる嘘をつく現象(ハルシネーション)も起こり得ます。
一方、NotebookLMは「あなたがアップロードした資料(PDFやWord、スプレッドシートなど)だけ」を信頼できる情報源(ソース)として読み込み、その内容に基づいて質問に答えたり、要約したりしてくれます。「ネットの汎用的な情報ではなく、うちの学校の資料をもとに答えてくれるAI」である点が最大の強みです。
学校現場は「前例踏襲」の業務が多く、過去のデータを探すのに時間を奪われがちです。
NotebookLMに過去3?5年分の職員会議録や行事計画書、分掌の引き継ぎ資料を読み込ませておけば、チャットで「今年の体育祭の雨天時対応はどうすればいい?」と質問するだけで、過去の資料から該当箇所をピンポイントで教えてくれる「自分専用の引き継ぎ引き出し」が完成します。
先生方がAIを使う際に最も懸念されるのが「セキュリティ(情報漏洩)」です。
NotebookLMは、アップロードしたデータや質問内容がモデルのトレーニング(AIの学習)に利用されない仕様になっています。Google Workspace for Educationのセキュリティ基準に準拠しているため、学校現場でも安心して校務に活用することができます。
※ただし、個人情報の扱いには注意が必要です。後述の注意点を必ずご確認ください。
ここでは、学校の先生が明日からすぐに使える4つの具体的な校務活用事例をご紹介します。チャット欄に入力する指示文(プロンプト)も掲載していますので、コピーして使ってみてください!
文部科学省や教育委員会から届く数十〜数百ページのガイドラインや手引き。すべてに目を通す時間はないけれど、必要な情報は正確に把握したい……そんな時はNotebookLMにPDFを読み込ませて、要点だけを抽出させましょう。
あなたは経験豊富な教務主任です。現場の教員が最優先で把握すべき「必須のポイント・変更点」を5項目に絞って、箇条書きでわかりやすく要約してください。また、現場で疑問になりそうなQ&Aを3つ作成してください。
「3年前の修学旅行ではアレルギー対応をどうしていたっけ?」「昨年の文化祭の反省点は何だった?」など、過去のフォルダを漁る時間をゼロにします。複数年の資料を同時に読み込ませて「比較」させることも可能です。
「修学旅行計画書・反省録」をもとに、以下の質問に答えてください。
学校評価や行事アンケートで集まった数百件の自由記述コメント。Googleフォームから出力したスプレッドシートやCSVファイルをNotebookLMに読み込ませれば、わずか数秒で意見の傾向を分類・分析してくれます。
保護者アンケートの自由記述データをもとに、以下の分析を行ってください。
「毎月の学年だより、書くネタが思いつかない……」というお悩みも解消!過去1年分の学年だよりや、今月の行事予定表を読み込ませることで、学校のトーン&マナー(語り口)を反映した原稿のたたき台を作成してくれます。
過去の学年通信の文体やトーンを参考に、以下の条件で次号の文章のたたき台(約400字)を作成してください。
NotebookLMの操作は非常にシンプルです。
特別なアプリのインストールは不要で、ブラウザからすぐに始められます。
画面の指示に従って、AIに読み込ませたい資料を追加(ソースの追加)します。
1つのノートブックにつき、最大50個のソースまで読み込ませることができます。
資料の読み込みが終わったら、画面下部のチャット入力欄に、先ほどの【事例】で紹介したようなプロンプトを入力して送信します。
数秒?数十秒でAIが資料に基づいた回答を出力してくれます。結果が少しちがうなと感じたら、「もう少し箇条書きで短くして」「小学生の保護者向けに表現を噛み砕いて」など、会話を続けるように追加指示を出すのが思い通りに仕上げるコツです。
一歩進んだ使い方を知ることで、自分だけでなく学年全体の働き方改革を推進できます。
完成したノートブックは、Googleスプレッドシートなどと同じように他の先生と共有できます。
画面右上の共有アイコンから、同じ学年や分掌チームの先生のGoogleアカウントを追加しましょう。これによって、チーム全員がアクセスできる「AI搭載の校内FAQ・ナレッジベース」になり、「主任がいないと過去のやり方が分からない」という属人化を解消できます。
NotebookLMには、読み込ませた資料を元に「2人のAIパーソナリティがラジオ番組風に会話して解説する音声(オーディオ概要)」を生成する神機能がついています。
例えば、分厚い教育研修の資料や、他校の先行研究論文をアップロードし、この音声機能を実行してスマホに保存しておけば、毎日の通勤時間(車内や電車内)を「耳からインプットする時間」に有効活用できます!
非常に便利なNotebookLMですが、学校現場で利用する際には必ず守るべきルールがあります。安心して使うための3つの鉄則を確認しておきましょう。
いくらAIの学習に使われない仕様であっても、クラウド上のサービスに個人情報をアップロードするのは学校のセキュリティ規程に違反するリスクが高いです。
| 絶対NGなもの | 児童生徒の氏名、住所、電話番号、成績データ、指導要録、配慮事項などが書かれたファイル |
|---|---|
| 対策 | アンケート結果や名簿を読み込ませる際は、必ず事前にExcel上で氏名列を削除・匿名化(Aさん、Bさん等に置換)したデータのみを使用してください。 |
各自治体や学校によって、利用できるGoogleアカウントの制限や生成AIツールの業務使用に関するガイドラインが定められています。新しいツールを校務で導入する際は、事前に管理職や情報担当の先生に確認し、ルールに則って活用しましょう。
NotebookLMはハルシネーション(嘘)が非常に少ないAIですが、複雑な表の読み取りミスや、言葉のニュアンスの取り違いが発生する可能性はゼロではありません。
AIが作った指導案や配布物のおたよりはあくまで「たたき台(下書き)」とし、保護者や生徒に配布・公開する前に、必ず先生自身の目で事実確認と推敲を行うことを徹底してください。
今回は、学校の先生方に向けて「NotebookLMを使った校務効率化の方法と実践プロンプト」をご紹介しました。
ゼロから書類を作ったり、過去の膨大なデータを人力で探したりする時代は終わりつつあります。NotebookLMを「文句を言わずに過去資料をすべて暗記してくれる優秀な助手」として相棒に迎え、時間と心にゆとりを生み出していきましょう。
空いた時間を、明日の授業の工夫や、児童生徒との温かいコミュニケーション、そして何より先生ご自身のプライベートや休息の時間にあてていただければ幸いです!まずは次回の会議録の読み込みから、ぜひ試してみてください。

教育現場のAI活用は、次のステージへ。
話題の「Gemini Notebook (NotebookLM)」を使いこなし、先生方の事務作業を安全かつ圧倒的に効率化するためのガイドブックを出版しました。
「AIはむずかしそう…」という方でも、すぐ使える具体的なアイデアを解説しています。定時退勤を実現したい先生、職員室での働き方を変えたい先生は必見です。