


長文読解の単語リスト作成、リスニング音声のスクリプト起こし、定期テストの問題作成など英語の授業準備には膨大な手間と時間がかかりますよね。
そこで今回は、話題のAIツール「Gemini Notebook(旧NotebookLM)」を活用して、先生方の英語教材作成にかかる時間を劇的に削減し、さらに先生ご自身の英語力ブラッシュアップにも繋がる実践的なテクニックをご紹介します。
NotebookLMほど「英語学習・指導」と相性の良いツールはなかなかありません。さっそく、その具体的な活用法を見ていきましょう。
世の中にはChatGPTなど様々な生成AIがありますが、なぜNotebookLMが学校の英語教育に最適なのでしょうか。それには、他のAIにはない3つの強力な理由があります。
NotebookLMの最大の特徴は、ユーザーがアップロードした資料(ソース)だけを基に回答を生成する点です。一般的なAIのように、インターネット上の不確かな情報を拾ってきて「もっともらしい嘘(ハルシネーション)」をつくリスクが極めて低くなります。
文部科学省の検定教科書テキストや、先生が厳選した信頼性の高い英字ニュースなどをソースに指定すれば、その範囲内だけで安全かつ正確な教材作成環境を構築できます。
NotebookLMはPDFやテキストだけでなく、音声ファイル(.mp3、.wavなど)を直接ソースとして読み込むことができます。これは英語指導において画期的です。
ネイティブスピーカーの会話音声やリスニング教材の音声データを読み込ませるだけで、AIが内容を理解し、一瞬で英文スクリプト(文字起こし)や日本語訳を作成してくれます。
NotebookLMには、読み込ませた資料をもとに、AIの男女2人がポッドキャスト番組のように英語で対話する音声を自動生成する「Audio Overview」という機能があります。
自分がまとめたノートや読解用の英文資料から、ネイティブ品質の自然な英語のやり取りが生成されるため、リスニング教材としてはもちろん、生徒のシャドーイング用音源としても非常に高いポテンシャルを秘めています。
ここからは、明日からすぐに使える具体的な授業準備の時短テクニックを3つ紹介します。
長文読解の授業準備は、AIに任せることで一気に終わります。
対象となる長文のPDFやテキストをアップロードし、以下のようにプロンプト(指示文)を出します。
この長文から、中学3年生で習うレベルの重要英単語・熟語を20個抽出し、表形式(英単語・品詞・日本語の意味)で出力して。
本文の内容理解を問う、英語の4択クイズを5問作成して。解答と解説も添えて。
これだけで、単語プリントや小テストのたたき台が即座に完成します。
これまで何度も音声を再生・停止しながら手作業で作っていた穴埋めプリントも自動化できます。
音声ファイルをアップロードし、下記のように指示します。
この音声の英文スクリプトを作成し、重要な前置詞や接続詞の部分を( )で空欄にしたディクテーション用のプリントを作成して
これだけで、精度の高いリスニング課題が完成し、授業準備の残業時間を大幅に削減できます。
「環境問題について賛成・反対の意見を英語で書く」といった英作文やディベートの授業では、生徒に提示する多様なモデル文が必要です。
テーマに関する簡単な資料を読み込ませた上で下記のように指示します。
このテーマについて、中学生でも使える定型表現(I think that~, Because~など)を活用し、賛成派と反対派それぞれの英語のモデルスピーチを100語程度で作成して。
これにより生徒の学習意欲を引き出す良質なサンプルがすぐに準備できます。
Gemini Notebookは、生徒のためだけでなく、忙しい先生自身の「学び直し」やスキルアップにも強力なパートナーとなります。
最新の英語教育理論や、海外のICT導入事例などの専門的な英語論文(PDF)を読み込ませます。
まずは「この論文の要旨を日本語で3箇条書きでまとめて」と指示して全体像を素早く把握(速読)します。その後、「第3段落の〇〇という表現について、文法的な構造を詳しく解説して」と対話しながら読み進めることで、専属のネイティブ講師がついているかのような精読トレーニングが可能です。
先生が興味のある英語記事や教材資料をソースに登録し、「Audio Overview」を生成します。生成された音声データ(英語の対話)をスマホにダウンロードしておけば、車通勤の時間や電車の中での聞き流し学習に最適です。
自分が興味のある内容・知っている内容がベースになっているため、市販の教材よりもスッと頭に入ってきます。
最後に、学校現場でGemini Notebookを安全かつ効果的に運用するための重要なポイントをお伝えします。
AIに英文を作成させる際は、難易度のコントロールが不可欠です。
指示を出す際に、下記のように具体的な制約条件をプロンプトに含めることで、生徒の実態に合った適切な教材を生成できます。
外部のニュースサイトや市販の教材をソースとして読み込ませる場合は、著作権への配慮が必要です。
学校の授業で使用するプリントなどを作成する目的であれば、著作権法第35条(学校その他の教育機関における複製等)の権利制限の範囲内で認められるケースが多いですが、AIを使って生成した教材をインターネット上に広く公開するようなことは避け、あくまで「目の前の生徒のための授業利用」に留める運用を心がけてください。
AIの出力結果をそのまま使うのは危険です。
AIは文法的に正しい英文を作りますが、時には不自然なニュアンスになったり、文脈に合わない単語を選んだりすることがあります。生成されたデータはあくまで「下書き(Draft)」とし、最終的には必ず英語のプロである先生ご自身の目で確認し、「清書(Final)」として完成させるワークフローを徹底してください。
今回は、Gemini Notebookを英語学習や授業準備に活用する方法を解説しました。
AIに任せられる「下準備」は思い切ってNotebookLMに任せてしまいましょう。そうして生み出された時間を、生徒一人ひとりのスピーキング指導や、先生ご自身の休息、そして自身の英語力アップのための時間に充てていただければ嬉しいです。ぜひ、明日の授業準備から試してみてください。

教育現場のAI活用は、次のステージへ。
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