


「学校でも生成AIを活用しようと言われるけれど、Googleのツールだけでも『Gemini』や『NotebookLM』があって、何が違うのか分からない……」
「最近どちらも名前に『Gemini』と付くようになって、ますます混乱している」
GIGAスクール構想や校務DXが進む中、多くの先生方がこうした疑問を抱えています。日々の授業準備や分掌業務に追われる中で、似たような名前のツールを一つずつ試して違いを調べる時間なんて、到底ありませんよね。
結論から言うと、通常の「Gemini」と「NotebookLM(Gemini Notebook)」は、得意な分野や役割が全く異なる別のツールです!この2つの違いを正しく理解して使い分けるだけで、これまでの教材研究や事務作業にかかっていた時間を半分以下に短縮することも夢ではありません。
本記事では、学校現場での実践に特化して、「2つのAIの決定的な違い」「比較表」「明日から使える授業・校務での使い分けガイド」を分かりやすく徹底解説します!
2つのツールを学校現場で使い分けるための最大のポイントは、「AIが何(どこ)の情報源を基にして答えているか」という点にあります。まずはそれぞれの特徴と、最近の名称変更について整理しましょう。
通常の「Gemini」は、インターネット上の膨大な知識を学習している対話型生成AIです。
「中学2年生の英語の授業で使える、5分間の面白いアイスブレイクを10個考えて」「運動会のスローガンのアイデアを出して」といった、ゼロから新しいアイデアを生み出したり、一般的な相談をしたりする業務において圧倒的な力を発揮します。先生の隣でいつでも相談に乗ってくれる「物知りで万能なアシスタント(同僚)」のような存在です。
一方で「NotebookLM(ノートブック エルエム)」は、インターネットの情報を勝手に検索して答えることはありません。先生がアップロードしたPDFやWord、Googleドライブの資料「だけ」を情報源(ソース)として動作するソース特化型AIです。
そのため、「この指導書と過去のプリントを元に、今度の範囲の4択クイズを作って」「この数十ページの行事マニュアルから、雨天時の変更点だけを抜き出して」といった、決まった資料の正確な読解・要約・クイズ化で無類の強さを誇ります。「手持ちの資料を分析してくれる専門の分析官」とイメージしてください。
ここで先生方を悩ませているのが名称の変更です。実は、Googleのツール群の名称統合(リブランディング)により、従来の「NotebookLM」は現在、「Gemini Notebook(ジェミニ ノートブック)」へと進化を果たしました。
つまり、「Gemini」という大きなブランド(AIの頭脳)の中に、「対話チャット型のGemini」と「資料読解特化型のGemini Notebook(旧NotebookLM)」の2つが存在している状態です。本記事では、現場の先生方になじみ深い「NotebookLM」という名称を基軸に解説を進めます。
先生方が「今の業務にはどちらを使えばいいか」をひと目で判断できるよう学校現場の視点で3つの違いを比較表にまとめました。
| 項目 | Gemini(通常の対話チャット) | NotebookLM(現 Gemini Notebook) |
|---|---|---|
| 主な情報源 | インターネット全体の学習データ | 先生がアップロードした資料のみ(最大50?300ファイル) |
| 最大の強み | アイデア出し、ゼロからの文章作成、相談・ブレスト | 手持ち資料の正確な要約、小テスト作成、情報検索 |
| ハルシネーション(嘘) | まれにもっともらしい嘘をつくことがある | 極めて低い(資料にないことは「書いていない」と答える) |
| 得意な出力形式 | テキスト、表、プログラムコード | テキスト、表、小テスト、ラジオ風「音声概要」 |
| 主な活用シーン | 授業デザインの考案、保護者通知文の作成・校正 | 指導書読解の時短、過去の行事マニュアル・議事録のQA化 |
通常のGeminiは広大なネットの海から情報を取ってくるため、時には事実と異なる情報(ハルシネーション)を出力してしまうリスクがあります。一方、NotebookLMは「読み込ませた資料に書かれていること以外は答えない」という仕組みになっているため、ハルシネーションのリスクが極めて低く、教材や校務資料のファクトチェック負担が大幅に軽減されます。
Geminiは、こちらの投げかけた問いに対して自由に会話を広げたり、複数の案を提示したりする「対話能力」に優れています。
対するNotebookLMは、資料から重要語句を抜き出して「解答・解説付きの小テスト」を自動生成する機能や、2人のAIホストが資料の内容をポッドキャスト風に語り合う「音声概要(オーディオ概要)」機能など、教材化やインプットに特化した独自機能が充実しています。
どちらのツールも学校や自治体が契約している「Google Workspace for Education」のアカウントから利用する場合は、先生方が入力した内容やアップロードしたファイルが、AIの再学習(モデルのトレーニング)に利用されることは一切ありません。非常に高いセキュリティ基準が守られているため、どちらも教育現場で安心して業務に利用できます。
特徴の違いがわかったところで、次は「実際の学校現場でどちらをどう使うべきか」、すぐに実践できる具体的な使い分け事例をご紹介します。
授業をゼロから組み立てる時は、2つのツールの得意分野を明確に分けましょう。
| Geminiの出番 | 「単元導入で生徒がアッと驚く身近な科学現象の例え話は?」「グループディスカッションで生徒が白熱するテーマを5つ提案して」など、授業の魅力度を高めるアイデア出しや授業設計案の作成に使います。 |
|---|---|
| NotebookLMの出番 | 指導書や教科書の解説資料(PDF/Word)を読み込ませ、「この範囲から穴埋め式のワークシートを作成して」「単元末に行う4択の復習クイズと解説文を出力して」と指示します。正確な資料に基づいたプリント教材が一瞬で完成します。 |
毎日発生する事務作業や学校行事の準備でも、役割分担が明確です。
| Geminiの出番 | 「家庭訪問の日程変更をお願いする保護者向けメールを、丁寧な文面で作成して」「自治体から届いた難解な通知文を、校内掲示用の分かりやすい文章にリライトして」といった、一般的なビジネス文書の作成や敬語のチェック・校正に最適です。 |
|---|---|
| NotebookLMの出番 | 運動会や文化祭、修学旅行などの分厚い「過去のマニュアル集(Googleドキュメントなど)」を丸ごと読み込ませます。「当日の雨天時のタイムスケジュールと役割分担を表にして」「熱中症が起きた時の対応フローを抽出して」と指示すれば、必要な情報に即座にアクセスできます。 |
総合的な探究の時間(総合的な学習の時間)や進路面談でも、AIをうまく組み合わせることで生徒の学びを深められます。
| Geminiの出番 | 「地域の環境問題をテーマにした探究学習で、中学生でも取り組めるユニークな切り口をブレインストーミングして」「『将来スポーツに関わりたい』という生徒に向けて、選手以外の多様な職業リストを提案して」など、発想を広げるサポートに使います。 |
|---|---|
| NotebookLMの出番 | 生徒自身がネットや図書館で集めてきた複数の論文や調査資料(PDF/URL)を読み込ませます。「これらの資料間で共通している課題は何か?」「Aの資料とBの資料で対立している意見を整理して」と分析させることで、深い考察のヒント(たたき台)を得ることができます。 |
実は、どちらか一方を使うだけでなく、「2つのツールを組み合わせて使う(連携プレイ)」ことで、教材作成のクオリティとスピードを格段に引き上げる応用テクニックがあります!
まずは、ハルシネーションの心配がないNotebookLMに、今回の授業で使う指導資料や参考書籍のPDFを読み込ませます。
「この単元で生徒に絶対に理解させるべき重要用語と学習指導要領上の要点を箇条書きで5つ抽出してください」と指示し、正確で信頼できる「コア情報(テキスト)」を取得します。
次に、ステップ1で取得したテキストをコピーし、通常の「Gemini」に入力します。
ここで「以下の【要点データ】を元に、勉強が苦手な生徒でも興味を持つような、キャラクターが対話する形式の解説文にアレンジして」「この要点を解説するための板書計画(チョークの色分け指示付き)を考えて」と指示します。
NotebookLMの「正確さ」と、Geminiの「豊かな表現力・アイデア力」を掛け合わせることで、短時間で最高品質の個別最適化教材を作り出すことができます!
最後に、学校現場で実際に使い始める際に、多くの先生方が疑問に思うポイントをQ&A形式でまとめました。
A. 「今困っている業務」に合わせて使い分けるのがベストですが、最初の1つなら「Gemini」が手軽です。
まずはアイデア出しやメールの添削など、資料がなくても対話だけで仕事が楽になる「Gemini」を日常のパートナーにしてみてください。その上で、「行事マニュアルの読み込みが億劫だ」「過去の授業プリントを再利用して新しいテストを作りたい」という具体的な資料がある場合に「NotebookLM」を活用すると、スムーズに使いこなせます。
A. 基本的な機能は同じですが、利用できるファイルの容量や連携環境に大きなメリットがあります。
学校のGoogle Workspace for Educationアカウントを利用すると、個人の無料アカウントと比較して、Googleドライブ連携がよりスムーズに使えるほか、自治体によって導入されている有料プラン(Gemini Education / Pro等)であれば、NotebookLMのソース上限数やAIのデータ処理能力がさらに拡張されている場合があります。
A. 学校のICT・システム担当者(または教育委員会)に利用申請を行いましょう。
自治体によっては、通常の「Gemini」は許可されているけれど、比較的新しいツールである「NotebookLM(Gemini Notebook)」は管理コンソール上でブロックされている、というケースがあります。その場合は、「校務の負担軽減および授業教材作成のために、NotebookLM(またはGemini)のURLをホワイトリストに登録してほしい」と、具体的な業務改善メリットを添えて学校の管理職・ICT推進担当者に相談してみてください。
今回は、先生方に向けて「通常のGemini」と「NotebookLM(現Gemini Notebook)」の違いと、学校現場での実践的な使い分けガイドをご紹介しました。ポイントを振り返りましょう。
名前が似ていて最初は少し戸惑うかもしれませんが、「アイデア出し・相談ならGemini」「手元の資料を分析・クイズ化するならNotebookLM」という明確な役割分担さえ覚えておけば、もう迷うことはありません。
まずは明日の業務で、「保護者向け通知文の言い回しをGeminiに相談してみる」、あるいは「過去のプリントをNotebookLMに1つ入れて小テストを作ってみる」など、できそうなところからAIを頼ってみてください。

教育現場のAI活用は、次のステージへ。
話題の「Gemini Notebook (NotebookLM)」を使いこなし、先生方の事務作業を安全かつ圧倒的に効率化するためのガイドブックを出版しました。
「AIはむずかしそう…」という方でも、すぐ使える具体的なアイデアを解説しています。定時退勤を実現したい先生、職員室での働き方を変えたい先生は必見です。